今さら聞けない巾木のこと | 納まり、種類、素材

今さら聞けない建築知識

巾木(はばき)とは

床面に接する壁の下部に取り付ける部材のことで、装飾及び汚れやすい壁下部の保護を目的としています。

素材は、木材だけでなく、石材、タイル、金属、合成樹脂などが用いられます。

表記については、「巾木」「幅木」どちらでもOKです。

巾木はないとだめなの?

結論からお伝えすると、「巾木はなくてもOK」です。

しかし巾木の役割には、装飾や汚れからの保護の他に、床と壁の取り合い部分の納まりの汚さを隠すという役割もあります。

巾木が要らない程にきれいに納めれば済む話ではありますが、残念ながら低予算で進める現場などではなかなか難しいのが現状です。

個人的にはあえて巾木をつけないデザインもかっこいいと思うので、手間をかけられる物件では取り入れるのもありだと思っています。

私が住むマンションには巾木がありませんが、問題なく過ごしています。

見た目がすっきりしていてお気に入りです。

巾木の納まり種類

巾木の納まりは、大きく分けて2種類あります。

・出巾木

・入巾木

文字通り、壁より巾木が出っ張っているのが「出巾木」壁より巾木が引っ込んでいるのが「入巾木」です。

多くの場合「出巾木」が採用されており、「入巾木」についてはあまり馴染みがないかと思います。

というのも、「入巾木」にする場合、石膏ボードを2重にしたり、既製品の巾木で済むところを特注の巾木にしたりと、コストや手間がかかります

しかし、デザイン面で考えると「入巾木」には特有の美しさがあります。

コスト面やデザイン面、何を優先するかを決め進めていくことが重要です。

巾木の素材

巾木の素材の種類は、大きく分けて3種類あります。

木質系巾木

木質系巾木は「木製巾木」と「MDF巾木」2種類に分けられます。

木製巾木は、純粋に木材で造られた巾木です。

MDF巾木は、樹脂系の素材に木目調シートが貼られた既製品の巾木です。

メリット

木製巾木のメリットは、本物の木材を使用しているため経年変化を楽しむことができます

MDF巾木のメリットは、建具と巾木を併せて販売しているメーカーが多いため色合わせしやすい点や、既製品のため安価で手に入る点です。

デメリット

木製巾木のデメリットは、経年変化によるメンテナンス(塗装等)が必要になる点や、木材で造られているため価格がやや高くなってしまう点です。

これはフローリングでも同様のことが言えますね。

MDF巾木のデメリットは、、、これと言って思いつきませんでした。

木質系巾木についてのまとめ

基本的にMDF巾木の方が多く採用されており、特に木造住宅では広く普及しています。

通常、巾木は周りの建具などと色合わせをしますが、MDF巾木の場合それが簡単に叶うのが大きなメリットです。この点は廻り縁も同様ですね。

一例としてDAIKENのカタログページを引用させていただきます。

このように色がリンクしているため選びやすいのです。

引用元:DAIKEN
引用元:DAIKEN

ソフト巾木

木造住宅などではMDF巾木が広く普及していますが、RC造やS造マンション・店舗系・オフィス系などで多く採用されているのがソフト巾木です。

ソフト巾木は薄く柔らかい塩化ビニルでできており、寸法は40mm、60mm、75mm、100mmと幅広く展開されています。

ソフト巾木の固定方法は接着剤で貼り付けるだけなので、DIYなどでも取り入れやすいですね。

ソフト巾木の形状には2種類あり、Rがついている「R付」と呼ばれているものとそうではないものがあります。

R付のメリットは、床との取り合い部の雑な納まりを隠すことができる点です。

MDF巾木では木目調が一般的ですが、ソフト巾木では単色が一般的です。(ソフト巾木にも木目調はあります)

一例としてサンゲツのカタログページを引用させていただきます。

引用元:サンゲツ

タイル巾木

タイル巾木を採用する際の大きな理由は、「床のタイル仕上げに合わせるため」というシンプルなものや、「玄関や商業施設など、靴が当たるような場所では巾木も汚れやすくなるため、タイル巾木を採用する」「水洗いをする場所だから」などが挙げられます。

タイル巾木以外にも、着色したモルタルや石で対応することも可能です。

巾木の固定方法

それぞれの巾木の固定方法をご紹介します。

木質系巾木の固定方法

一般的に隠し釘はこのようなものを使用します。

https://amzn.to/46gWSoM

ソフト巾木の固定方法

ソフト巾木の固定方法は接着剤で貼り付けるだけです。

DIYなどにも取り入れやすいですね。

タイル巾木の固定方法

タイル巾木の納まりは、「出巾木なのか入巾木なのか」「床材の種類は何か」など、その時々に応じて納まりを考えなくてはなりません。

その中の一例をご紹介します。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

巾木のいろいろについて、参考になっていれば嬉しいです。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、コスト面やデザイン面などを考慮して選ぶことが大切です。

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