【この記事でわかること】
・塩ビタイルとは
・塩ビタイルの基本サイズ
・塩ビタイルの納まり
・塩ビタイルのお手入れ方法
・塩ビタイルを選ぶならこのメーカーがおすすめ
塩ビタイルとは
塩ビタイルは、「Pタイル」「ビニル床タイル」とも呼ばれており、塩ビを含むプラスチック素材を板状にした床材のことです。
「Pタイル」は田島ルーフィング株式会社が出している床タイルの商品名なのですが、それが浸透して使われるようになった呼び名です。
塩ビタイルの大きな魅力は、やはり耐水性や掃除のしやすさですね。土足で歩くような商業施設内や、病院などに多く使用されています。
また、床だけではなく壁面や天井にも使用できます。例えば、木目調の塩ビタイルを使用すれば本物の木材を使用するよりも安く済みます。また、床を貼る職人さんがその流れで壁や天井も仕上げることができるので効率的です。
塩ビタイルは耐久性が高く、耐用年数は約10年と言われておりますが、やはり長く使用していると角が剥がれてくる等の問題は出てきます。壁面や天井の場合、いきなり落下するということは滅多にないかと思いますが、メーカーさんや職人さんと十分検討した上で使用する必要があるかと思います。
塩ビタイルには、大きく分けて「コンポジションタイル」「ホモジニアスタイル」の2種類があります。ものすごく簡単に説明すると、コンポジションタイルは単層、ホモジニアスタイルは複層です。その他の特徴について、さらに詳しく説明していきます。
コンポジションタイル(単層)
いい意味で”普通”の塩ビタイルです。シンプルなデザインのものが多いため、病院やショッピングモールの通路などに多く使われている印象です。
【メリット】
・比較的安価で手に入る
・単層であるため、摩耗しても柄が変わらず変形が少ない
・柄や色の種類が豊富
【デメリット】
・汚れや水分を吸収しやすい
・欠けやすいため、複雑なデザインカットは難しい
ホモジニアスタイル(複層)
コンポジションタイルに比べ柄や色の種類が豊富で意匠性が高いことが特徴です。木目調や石調の製品も多く出ています。かなりクオリティが高く、無垢フローリングや本物の石材などに比べコストを抑えることができます。
【メリット】
・柄や色の種類がかなり豊富
・柔らかく欠けにくい
【デメリット】
・コンポジションタイルに比べると若干価格が高い
・複層のため、表面が摩耗すると柄が変わる可能性がある
塩ビタイルの基本サイズ
さまざまな製品が出ているため一概には言えませんが、300角~500角程度のものが多いです。
塩ビタイルの納まり
直貼りする場合
まずは、シンプルにコンクリート面の上に塩ビタイルを直接貼るという工法です。
施工手間がかからないことが一番のメリットです。
OAフロアを使用する場合
2つ目は、床コンクリートの上に「OAフロア」と呼ばれる床かさ上げ材を敷き、その上に塩ビタイルを貼る工法です。床コンクリートは100mm程下げておきます。
床下に配線などを通すことができるので、レイアウト変更が発生するオフィスビルなどに適しています。
基本的にOAフロアは500角なので、500角の塩ビタイルをOAフロアの継ぎ目にまたぐように貼っていけば、塩ビタイルを1枚剥がすだけで継ぎ目部分から配線を取り出せるようになっています。便利!
OAフロアとは・・・
配線を収納するための二重床を指します。
種類は「置敷きタイプ」と「支柱タイプ」の2種類があります。
それぞれメリット・デメリットがあるため、状況に応じて選ぶ必要があります。
置敷きタイプ
メリット:工期が短く価格が安い
デメリット:配線収納容量が小さい
支柱タイプ
メリット:配線収納容量が大きい
デメリット:工期が長く価格が高い
塩ビタイルのお手入れ方法
掃除機や雑巾で水拭きするだけでOKです。
汚れが酷い場合は、中性洗剤を薄めて使用するといいでしょう。
フローリングに比べ簡単なのも魅力ですね。
塩ビタイルを選ぶならこのメーカーがおすすめ
サンゲツ
1849年創業の株式会社サンゲツは、カーテンや壁紙、床材など数多くの商品を取り扱う、大手インテリア商社です。
サンゲツのように、床材と壁紙のどちらともを扱うメーカーはほとんどありません。
塩ビタイルの種類もとても多く、個性的なデザインのものも充実しています。
東リ
東リ株式会社は、サンゲツと並ぶ大手総合インテリアメーカーです。
特にタイルカーペットやプラスチック床材の分野でトップシェアを誇ります。
また、耐久性や機能性に定評があります。
リリカラ
リリカラ株式会社は、東京都新宿区に本社を置くインテリア商品の製造企業です。
壁紙やカーテン、床材などの企画・開発・販売から、インテリア設計・施工やプロジェクト管理などを行っています。
塩ビタイルの代表メーカーでもあります。
田島ルーフィング
1919年創業の田島ルーフィング株式会社は、総合防水メーカーです。
防水材料メーカーとしてトップシェアを誇る一方で、塩ビタイルなどの床材にも力を入れています。
川島織物セルコン
1843年に呉服悉皆業として創業した株式会社川島織物セルコンは、ファブリックメーカーです。
明治宮殿の室内装飾を手がけて以来、カーテンや床材、壁装材などに事業を拡大しています。
川島織物セルコンの強みは、伝統的な手織りと機械での量産の2種類の技術を併せ持っていることで、帯や緞帳・美術工芸品も扱っています。
塩ビタイルの種類はそれほど多くありませんが、上品なデザインのものが多く、デザインに取り入れやすいと思います。
アドヴァン
株式会社アドヴァングループは、建築用仕上げ材を扱う大手商社です。タイルや石材を中心に、フローリングや蛇口、薪ストーブやキッチンなど合わせて20,000アイテムを扱っています。
床材もデザイン性が高い印象です。
アドヴァンの大きな特徴としては、「誰もが同じ価格で買える」ということです。通常、業者が購入をすると定価の6〜7割の金額で購入できますが、アドヴァンの場合は一般のお客さんでも業者と同じ価格で購入することができます。業者的には複雑な気持ちですかね・・・
さいごに
最後までお読みいただきありがとうございました。
塩ビタイルの基本知識をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
今後も「今さら聞けない建築知識」を発信していきますので、よろしくお願いします!